設立趣旨書を作成する

設立趣旨書を作成する

 

設立趣旨書とは、今から設立しようとする法人の概要と、なぜNPO法人として設立するのかということを説明するものです。

 

これから法人を設立し社会貢献していこうとしている分野には、現状様々な問題や課題があるはずです。

 

そのような問題に対して、設立しようとする法人がどのような解決策を提案し、実施していくのかを説明します。

 

そして、その活動を行うにあたり、NPO法人としての法人格が必要になる理由を説明するのです。

 

 

 

ちょっと抽象的でわかりにくいですね・・・ 具体例を示してみましょう。

 

 

 

例えばここに、物のリサイクルを推進するボランティア団体があり、法人化を検討しているとします。

 

そのNPO法人の設立趣旨書は、以下のような構成になるでしょう。

 

1.昭和の時代から問題視された化石資源依存の大量生産大量消費を社会が今も継続し、依然として自然環境は深刻な被害を受けています。

 

2.その現状を打開するために、政府や大企業は環境に配慮した策を打ち出し、少しずつ状況は改善しつつありますが、一般市民レベルでの意識は依然として低いのが問題です。

 

3.そこで当団体は、市民に向けてリサイクル活動の教室を開催し、環境問題に対する市民の意識を改善し、リサイクル活動のより一層の普及を促し、環境問題の解決に貢献します。

 

4.このような活動を行うに際して各種契約を結ぶ分必要があるので、法人格が必要となりますが、当団体は営利を目的としていないので、会社組織は似つかわしくなく、NPO法人として設立することを決意しました。

 

大まかにはこのような構成になるでしょう。

 

その他に、法人設立の申請に至るまでの経緯などを記載する箇所もあります。

 

 

 

この書類は市民に対して縦覧こともあり、所轄庁のチェックもかなり厳しいです。

 

誤字脱字はもちろんのことですが、特にチェックされるのが「公益性の有無」です。

 

広く一般市民に対して利益が与えられるのであればOKですが、特定界隈の人にしか利益が行き届かない・・・という状況はダメということですね。

 

詳しくはこちらの記事にまとめ直しているので、気になる方はご覧になって下さい。 『共益性が高いとダメ!?』

 

ここだけで複数回訂正を求められることもしばしばあります。

 

根気よく練り直していきましょう。

 

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