Google for Nonprofitsについて
Google for Nonprofitsは、Googleが提供する非営利団体向けプログラムです。
Ad GrantsはGoogle for Nonprofitプログラムの一部なので、Ad Grantsを利用したい場合はGoogle for Nonprofitsに参加する必要があります。
では、Nonprofitsへ参加するために求められる資格を見てみましょう。
・政府事業体または政府組織ではない・病院またはヘルスケア企業ではない
・学校、教育機関、大学(Google for Education で学校向けプログラムが別途提供されている)ではない
この辺は大多数のNPO法人は引っかからないでしょう。
続きます。
・日本においては、以下の要件を満たしていることテックスープ ジャパン(TechSoup Global の地域団体)に現在登録されている必要があります。
テックスープジャパンについてはこちらに詳しく書いていますが、ざっくり言うとNPOを支援する団体ですね。
つまり、アドグランツを利用したい場合は・・・
テックスープ → Nonprofits → アドグランツ という遠回りをする必要があります。
ちょっと骨が折れますね・・・
もうちょっと続きます。
(1)都道府県により認定された特定非営利活動法人(NPO)(2)都道府県や厚生労働省により承認された社会福祉法人
(3)公益委員会により認定された公益社団法人または公益財団法人
(4)法人税法に定められている非営利型法人に該当する一般社団法人、のいずれかである必要があります。
(1)でNPO法人が挙げられていますね。
ただ、ちょっと記述に気になる所があります。
都道府県により「認定」された特定非営利活動法人・・・
こう書かれると、 「えっ?認定NPO法人じゃないとダメなの?」 と思いますよね?
(認定NPO法人について詳しくはこちら)
でも、実際は認定を持っていないNPO法人でも大丈夫です。
おそらく、和訳を担当した人が「認定」と「認証」に大きな違いがあることを分かっていなかったのだと思います。
ちょっと紛らわしいですね・・・できれば認証に書き直してほしいです。
以上の要件をクリアしたら、晴れてNonprofitsに登録することができます!
さて、アドグランツが派手で目を奪われがちですが、Nonprofitsには他にも3つ非営利団体向け支援があります。
ざっと見ていきましょう。
まずは、G Suite Basicを無料で利用できます。
G Suiteは簡単に言うと、GmailやGoogleドライブのアップグレード版で、Gmailのドメイン部分(@gmail.com)の部分を法人名等に変更でき、Googleドライブの容量が30GBに拡大します。
他にもカレンダー共有やビデオ会議機能、Office互換機能に24時間サポートが付いています。
通常なら月額600円かかるので、「コスパ的にちょっとどうかな?」と率直に思うところもありますが、NPO法人なら無料です、気になる機能はバンバン利用しましょう。
詳細はこちらから。
2つ目は、Google Maps Platform クレジット ・・・これは率直に言ってよくわかりません・・・
googleマップの画像や3Dデータをウェブサイトやアプリに応用するようですが、かなり高度な知識が必要そうで、残念ながら僕には分からなかったです。
万人向けの機能ではなさそうですが、もしピンとくる方がいらっしゃいましたら、こちらから詳細をご覧ください。
3つ目は、Youtube非営利プログラムを利用できます。
具体的には・・・Youtube動画に「どこにでもリンクできる特別なカード」を使用することができます。
カードというのは、ユーチューブを見ている時に画面右上に i のマークが出てくるアレです。
通常であればリンクは承認された所にしか飛ばせませんが、このカードを使えば、寄付を募るページなどあらゆる所にリンクを貼ることができます。
メッセージ性が高い動画を作って上手に再生数を伸ばすことができれば、比例して寄附をたくさん集めることだって可能です。
他には、通常なら動画開始10秒後に流れるオーバーレイを、動画開始直後から流せるオプションもあるようですが、場合によっては鬱陶しいと思われかねないので、使い所は考えないといけないですね。
残念なのは、寄附を促す寄附カードを使えるのがアメリカ限定であるところですね、日本でも使えればよかったのですが・・・何か事情があるのでしょうね。
その他詳細はこちらから。
多くのケースでは、アドグランツにたどり着くための通過点のような認識になってしまいそうなGoogle for Nonprofitsですが、どのような機能があるのかだけでも確認しておくと、いずれその機能が欲しくなったり、機能を活かせる人材に出会った時に役に立つはずです。
時間がある時に、1度ざっと眺めておくことをお勧めいたします。
関連ページ
- まずは10人集めよう
- NPO法人を設立するには最低でも社員が10名必要です。現在活動しているメンバーが10人未満であるなら、同志を増やす必要があります。
- 共益性が高いとダメ!?
- NPO法人の活動に関して重要となる公益性と共益性。似ているようで全く違う、2つの言葉の違いとは。
- 特定非営利活動と収益事業
- 特定非営利活動に係る事業と、税法上の収益事業は特に混乱しがちなところです。
- NPO法人の寄附あつめ
- NPO法人を運営する上で極めて重要な要素である寄附。平成29年度の内閣府調査から、特に寄附に関する情報を見て、考察してみます。
- NPO向けIT助成プログラム
- Techsoup等が実施しているNPO向けの助成プログラムがあります。通常であれば高価なソフトウェアを利用するチャンスですので、是非活用したいですね。
- Google Ad Grantsのすすめ
- 月間最大1万ドルのウェブ広告助成プログラム・Google Ad Grantsの気になるところをバッサリ解説していきます。
- 休眠預金の活用について
- ついに2009年から10年経過して、休眠預金が発生し始めました。今後公益活動に使われるであろう休眠預金の行方を注視します。
- 学校の一部授業をNPO等が受け入れる流れ
- 2018.10.1 文部科学省が小中学校の総合学習時間を校外のNPO等に受け入れてもらい、教員の引率が不要となる案を出したことに関して考察してみます。
- 所有者不明土地にNPO法人ができること
- 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法が成立しました。この法律でNPO法人ができることについて考えてみます。
- NPO法人の解散と借金
- NPO法人を始めることばかりでなく、もし終わる時が来たら・・・。普段は考えないことですが、それでも全く考えない訳にはいかないことです。
- 休眠NPO法人調査について
- 内閣府が平成31年4月16日にまとめた休眠状態にあるNPO法人に関する調査結果から、どのようなNPO法人がマークされているのかを見てみます。